まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 前提を渡す(目的・読者・制約・NG条件を先に書く)
- 量を出させる(30個・粒度指定・重複禁止)
- 評価軸で絞る(自社の基準でスコアリングさせ、上位3案だけ深掘り)
ChatGPTのアイデア出しとは何か?普通の質問と何が違う?
検索とアイデア出しは目的が違います
| 役割 | ChatGPTが得意 | 人間がやるべき |
|---|---|---|
| 案の量産 | ◎ 30個でも100個でも即座に | △ 5個で疲れる |
| 前提の把握 | × 教えないと分からない | ◎ 現場を知っている |
| 型・切り口の提供 | ◎ フレームワークを網羅 | △ 自分の引き出しに依存 |
| 実行可能性の判断 | △ 一般論での判断は可能 | ◎ 予算・人員・締切を知っている |
| 最終決定 | × 責任を負えない | ◎ 責任を持って選ぶ |
「ブレスト相手」として使うのが現実的です
補足
ブレストの基本原則である「判断遅延(出す段階では批判しない)」は、AIとの対話でも有効です。最初から実現可能性を気にすると、発散の幅が一気に狭まります。
始める前に準備するもの(前提情報4点セット)

前提情報4点セットを先に書き出します
- 目的:何のためのアイデアか(例:新規顧客の問い合わせを月20件増やす)
- 読者・対象:誰に向けるか(例:従業員30名前後の製造業の総務担当)
- 制約:予算・人員・期間(例:予算10万円以内、担当は自分1人、3か月)
- NG条件:やらないこと(例:値引き施策は不可、他社批判は不可、既にやった施策は除外)
使うツールとモデルを決めておきます
| 環境 | 向いている使い方 | 注意点 |
|---|---|---|
| 無料版 | 単発の発散、個人的な検討 | 高性能モデルの利用回数に上限あり |
| 有料版(個人) | 長い前提を渡す継続的な検討 | 会社の機密情報の扱いは要確認 |
| 法人向けプラン | 業務利用、社内データを含む検討 | 導入は情シス・管理部門の判断が必要 |
注意
顧客名、未公開の売上数値、個人情報、取引先との契約内容は、社内で利用が承認されたAI環境以外に入力しないでください。設定をオフにしていても、社内規程違反になるケースがあります。
出力の受け皿を用意します
手順を順番に詳しく解説(3ステップ+プロンプト実例)
ステップ1:前提を渡して30個量産させる
- 30個、重複禁止
- 1案につき「施策名/30字の概要/想定コスト」を表形式で
- うち10個は予算1万円以下の案にすること
- うち5個は一般的な定石から外れた変わり種にすること
- 役割を与える:「〜のマーケターです」で回答の視点が具体化します
- 個数を切る:「いくつか」ではなく「30個」。数が多いほど後半に意外な案が出ます
- 配分を指定する:「うち10個は低予算」「うち5個は変わり種」で発散の幅を強制的に広げます
ステップ2:評価軸を渡して絞り込ませる
- 実行しやすさ(1人・3か月で回せるか)
- 問い合わせへの直結度(認知だけで終わらないか)
- 継続性(3か月後も資産が残るか)
ステップ3:上位3案を実行レベルまで深掘りする
- 実施手順(週単位、3か月分)
- 必要なもの(ツール・素材・社内調整先)
- 想定コストの内訳
- 失敗しやすいポイントと回避策を2つずつ
- 効果測定の指標と目標値
ステップ4(任意):視点を変えてもう一周する
| 追加プロンプト | 引き出せるもの |
|---|---|
| 「予算が10倍あったら何をしますか」 | 制約に縛られた思考のリセット |
| 「逆に、絶対に失敗する施策を10個」 | 反転させると回避すべき点が明確に |
| 「競合が真似できない案だけ5個」 | 自社の強みを起点にした案 |
| 「顧客が『面倒だ』と感じる瞬間を10個」 | 課題起点の案(施策起点より刺さりやすい) |
| 「この案を1年後に振り返って失敗していたら、原因は何ですか」 | 事前の失敗要因の洗い出し |
なぜアイデアが凡庸になる?つまずきやすい5つの原因と対処法
原因1:前提が抽象的すぎる
原因2:個数を指定していない
原因3:一発で完成品を求めている
原因4:出力が長すぎて読めていない
原因5:会話が長くなって前提を忘れられている
注意
ChatGPTが出す事例・数値・企業名は、そのまま信じないでください。存在しない事例が自然な文章で混ざることがあります。企画書や社外資料に使う数値は、必ず一次情報(官公庁の統計、企業のIR資料、公式サイト)で裏を取ってください。
効率化・応用のコツ|プロンプトを「型」として持つ
汎用テンプレートを5つ持っておきます
「カスタム指示」で毎回の前置きを省きます
- 「私は従業員50名の製造業で販促を担当しています」
- 「回答は結論を先に、箇条書き中心で。前置きは不要です」
- 「案を出すときは、必ず想定コストと実行難易度を添えてください」
音声入力で発散のスピードを上げます
チームで使うときはプロンプトを共有資産にします
注意点・リスク|情報漏洩・著作権・社内ルール
入力してはいけない情報を線引きします
| 区分 | 具体例 | 理由 |
|---|---|---|
| 個人情報 | 顧客の氏名・連絡先・購買履歴 | 個人情報保護法上の第三者提供に該当する可能性 |
| 秘密情報 | 未公開の売上、原価、開発中の製品仕様 | 秘密保持契約(NDA)違反のおそれ |
| 取引先情報 | 契約書の条文、見積書の内容 | 取引先との守秘義務違反のおそれ |
| 認証情報 | ID・パスワード・APIキー | 漏洩時の被害が直接的 |
注意
「学習に使われない設定にしたから大丈夫」は誤解です。学習利用のオフと、社内規程上の情報持ち出し禁止は別の話です。顧客名や数値は「A社」「約○千万円規模」のように抽象化して入力するのが安全側の運用です。
著作権は「出力の使い方」で判断が変わります
- 他社のキャッチコピーや文章をそのまま入力して「似た表現を作って」と頼まない(依拠性が認められやすくなります)
- 出てきた表現が既存のものと似ていないか、公開前に検索で確認する
- アイデアそのものは著作権の保護対象外だが、具体的な表現は保護対象である点を区別する
社内ルールを先に確認します
- 業務での生成AI利用が許可されているか
- 利用してよいツール・プランが指定されているか
- 成果物にAI利用を明示する必要があるか
- 顧客への納品物にAI生成物を含めてよいか
最終責任は使う人が負います
具体例・ケーススタディ|3つの職種での使い方
ケース1:中小製造業の販促担当(1人・予算10万円)
- 前提4点+「30個・うち10個は1万円以下」で量産
- 出た案:技術ブログ、既存客への同梱チラシ、加工事例のPDF化、業界紙への寄稿、YouTubeでの加工動画など
- 3軸評価で上位に残ったのは「加工事例のPDF化」(既存資産を再利用でき、コストほぼゼロ)
- 深掘りで「事例10本を月2本ずつ公開、問い合わせフォームに導線」まで手順化
ケース2:個人事業主のサービス設計(コンサルタント)
- 型2(切り口分解)で「対象を変える/順番を変える/やめる」の視点から15案
- 「やめる(引き算)」の切り口から、「初回相談を有料化して冷やかしを減らす」という案が出た
- 型3(反転型)で「絶対に失敗するサービス設計」を10個挙げさせ、「価格を安くして数で稼ぐ」が自分の状況では失敗パターンだと確認
ケース3:社内研修の企画(総務・人事)
- まず「受講者が『退屈だ』と感じる瞬間を10個」で課題を洗い出し
- 出た課題(一方通行、自分の仕事と関係ない、時間が長い)を前提に、改善案を20個
- 「他業界移植型」で、学習塾・ジム・ゲームの継続施策を研修に移植する案を検討
- 採用したのは「研修を90分×1回から30分×3回に分割し、間に実務での宿題を挟む」
補足
3ケースに共通するのは、ChatGPTが「最終案」を出したわけではない点です。ChatGPTは選択肢を広げ、人間が自社の事情で選びました。この分担が、実務で使えるアイデア出しの形です。




