ChatGPT GPTsの作り方|業務で使える社内AIを3ステップで自作
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ChatGPT GPTsの作り方|業務で使える社内AIを3ステップで自作

「ChatGPTは便利だけど、毎回同じ指示を打ち込むのが面倒」——そう感じているなら、GPTs(自分専用のカスタムChatGPT)を1つ作るだけで、その繰り返し作業はゼロになります

結論から言います。業務でGPTsを作るなら、やるべきことは3つだけです。(1) 繰り返している業務を1つに絞る、(2) Instructions(指示文)を型に沿って書く、(3) 社内資料をKnowledgeに入れる。この3ステップは、慣れれば15分で完了します。

ただし、多くの人が最初に作ったGPTsは「思った答えが返ってこない」「結局自分で書き直している」という状態で放置されます。原因はツールではなく、指示文の書き方と、任せる業務の選び方にあります。

この記事では、業務で実際に回るGPTsの作り方を、テンプレート・原因診断・NG例まで含めて解説します。情報漏洩や社内ルールの落とし穴にも触れますので、会社のPCで使う方は「予防・再発防止のコツ」まで必ず目を通してください。

ポイント

GPTsは有料プラン(ChatGPT Plus/Team/Enterprise等)で作成できます。作成にプログラミング知識は不要で、必要なのは「日本語で業務手順を説明する力」だけです。

GPTsを業務で使うなら、まず何をすべきか?

最初にやるべきは、「週3回以上・毎回ほぼ同じ手順で行っている業務」を1つだけ選ぶことです。GPTsは万能アシスタントではなく、単一業務の専用機として作ると成功率が上がります。

いきなり「業務全般を任せるAI」を作ろうとすると、指示が抽象的になり、出力もぼんやりします。逆に対象を絞るほど、指示は具体的になり、精度が上がります。

GPTs化に向いている業務の見分け方

判断軸はシンプルで、「手順が言語化できる」「正解の型がある」「頻度が高い」の3つが揃う業務です。

業務例向き不向き理由
問い合わせメールの一次返信ドラフト型があり頻度が高い
議事録の要約・ToDo抽出入力形式が毎回同じ
提案書の構成案づくり型はあるが個別性あり
社内規程にもとづくQA回答Knowledge次第で精度が変わる
最終的な金額・法的判断×誤りのリスクが業務影響に直結
最新の市況・株価の断定×情報の鮮度と正確性を担保できない

作成前に決めておく5項目

作り始める前に、この5つをメモ帳に書き出してください。所要3分です。

  1. 誰が使うか(自分だけ/チーム/全社)
  2. 入力は何か(議事録テキスト/顧客メール/CSVなど)
  3. 出力は何か(400字の要約/メール文面/表形式)
  4. 守るべきルール(禁止表現、社名の扱い、文字数)
  5. 入れてはいけない情報(個人情報、未公開情報、顧客固有データ)
注意

5番目は最重要です。ここを決めずに社内資料をアップロードすると、後から「その資料は外部サービスに載せてはいけなかった」と発覚するケースがあります。会社で使う場合は、先に情報システム部門や上長に利用可否を確認してください。

GPTsが業務で使えない主な原因を深掘り

GPTsが業務で使えない主な原因を深掘り

作ったGPTsが機能しない原因の大半は、「指示が曖昧」「出力形式を指定していない」「知識を渡していない」の3つに集約されます。モデルの性能不足が原因であるケースはむしろ少数です。

原因1:Instructionsが「お願い」になっている

最も多い失敗は、指示が命令ではなく感想レベルで終わっていることです。

「議事録をいい感じにまとめて」という指示では、要約の粒度も形式も毎回変わります。GPTsは「いい感じ」の基準を持っていません。

ありがちな指示何が起きるか
「わかりやすくまとめて」長さも構成も毎回変動する
「ビジネス文書として」敬語レベルが安定しない
「重要な点を抜き出して」重要の定義が毎回変わる

原因2:出力フォーマットを固定していない

業務で使うなら、出力は「そのまま貼れる形」まで指定する必要があります。

見出し名、項目順、文字数、箇条書きか表か。ここまで書いて初めて、コピー&ペーストで完結する状態になります。逆にここが曖昧だと、毎回整形作業が発生し、時間削減効果が消えます。

原因3:社内固有の知識を渡していない

GPTsは一般的な知識は持っていますが、あなたの会社の商品名・略語・料金体系・過去の回答例は知りません

ここを埋めるのがKnowledge(ファイルアップロード)機能です。過去のFAQ、用語集、テンプレート集を入れるだけで、出力の「自社らしさ」は大きく変わります。

原因4:任せる範囲が広すぎる

1つのGPTsに「メール返信も議事録要約も企画立案も」と詰め込むと、指示同士が干渉して精度が落ちます

業務ごとに分けて作るのが基本です。GPTsは複数作成できますので、1業務1GPTsを原則にしてください。

まとめ

精度が出ない原因は「モデル」ではなく「設計」です。指示の具体性・出力形式・知識の3点を疑えば、ほとんどのケースは改善します。

原因別の見分け方|どこを直せばいいか

不調の切り分けは、「同じ入力を3回投げて、出力がブレるかどうか」で判定できます。ブレるなら指示の問題、ブレないが内容が違うなら知識の問題です。

3回テストによる切り分け手順

  1. 同じ入力テキストを用意する
  2. 新しいチャットで3回、同じ指示を投げる
  3. 出力の「構成」と「内容」を比較する
症状疑うべき箇所対処
構成が毎回違うInstructionsの出力形式指定見出し・項目・文字数を明記
構成は同じだが内容が薄いInstructionsの深さ指定「具体例を1つ必ず含める」等を追加
自社用語を間違えるKnowledge不足用語集・FAQをアップロード
事実を捏造する根拠指定の欠如「Knowledgeにない場合は『不明』と答える」を明記
長すぎる/短すぎる文字数指定なし「300〜400字」と数値で指定
敬語がバラつくトーン指定なし「です・ます調、社外向け」と明記

「捏造」が起きたときの見分け方

最優先で確認すべきは、Knowledgeに根拠があるかどうかです。

GPTsに「その回答の根拠となったファイル名と該当箇所を示してください」と質問してください。ファイルを示せない場合、その回答は一般知識からの推測です。業務判断には使えません。

注意

生成AIは事実と異なる内容をもっともらしく出力することがあります(ハルシネーション)。総務省・経済産業省が公表した「AI事業者ガイドライン(第1.0版・2024年4月公表)」でも、AI出力の正確性については利用者側の確認が求められる旨が示されています。金額・契約・法令・医療に関わる出力は、必ず人間が一次情報で検証してください。

具体的な解決方法|GPTs作成の3ステップ

実作業は、GPT Builderの画面で「Configure」タブに4項目を埋めるだけです。会話形式のCreateタブより、Configureタブを直接編集する方が確実に仕上がります。

ステップ1:GPTsを新規作成する

  1. ChatGPTのサイドバー下部から「GPTs」(マイGPT)を開く
  2. 「Create(作成する)」をクリック
  3. 上部タブを「Create」から「Configure」に切り替える
  4. Name(名前)とDescription(説明)を入力する

Nameは「議事録要約くん」のように用途がわかる名前にします。チームで共有する場合、後から一覧で探しやすくなります。

ステップ2:Instructionsを型に沿って書く

ここが品質の8割を決めます。以下の6ブロック構成をそのまま埋めてください。

``` # 役割 あなたは弊社の営業アシスタントです。顧客メールへの一次返信ドラフトを作成します。

# 入力 ユーザーは顧客から届いたメール本文を貼り付けます。

# 出力フォーマット 以下の形式で出力してください。

  1. 件名(30字以内)
  2. 本文(300〜400字、です・ます調)
  3. 確認事項(箇条書き・最大3点)

# ルール

  • 金額、納期、契約条件は断定しない。「担当より改めてご連絡します」と記載する。
  • 顧客名は入力にある表記をそのまま使う。
  • 謝罪が必要な場合も、責任範囲は明言しない。
  • Knowledgeに記載のない社内情報は書かない。

# 禁止事項

  • 個人情報や他社名を新たに創作しない。
  • 不明な点を推測で埋めない。不明な場合は「要確認」と明記する。

# 最初の応答 最初に「メール本文を貼り付けてください」とだけ返す。 ```

ポイントは、「やること」だけでなく「やらないこと」を書くことです。禁止事項がないGPTsは、余計な情報を創作します。

ステップ3:Knowledgeとツールを設定する

  1. Conversation starters:よく使う依頼文を3つ登録(クリックで起動できる)
  2. Knowledge:用語集、FAQ、過去の良い出力例をアップロード
  3. Capabilities:不要な機能はオフにする
  4. 右上の「Create」→ 公開範囲を選択して保存

Knowledgeに入れるファイルは、PDFよりテキスト(.txt / .md)や整形済みのWord形式が読み取りやすい傾向があります。スキャンした画像PDFは精度が落ちるため、テキスト化してから入れてください。

Capabilities業務での推奨理由
Web Browsing必要な時だけON最新情報が要るなら有効。社外情報の混入に注意
DALL·E Image Generation原則OFF文書業務では不要。誤作動の元
Code Interpreterデータ集計時のみONファイル解析が可能になる反面、扱う情報に注意
ポイント

公開範囲は「自分だけ」「リンクを知っている人」「GPTストアに公開」から選べます。業務用GPTsは原則「自分だけ」または「リンク共有」にしてください。社内情報を含むGPTsを一般公開すると、Instructionsやファイル内容が第三者に触れられるリスクがあります。

ケース別の対処|職種ごとの作り方例

業務ごとに「入力・出力・ルール」の設計は変わります。自分の職種に近い例を1つ選び、Instructionsを差し替えるのが最短ルートです。

ケース1:営業/顧客対応

作るもの:問い合わせメールの一次返信ドラフト作成GPTs

  • 入力:顧客からのメール本文
  • 出力:件名+本文+確認事項
  • Knowledge:過去の返信テンプレート10本、商品概要、よくある質問
  • 重要ルール:金額・納期は断定させない

実務では、「返信の8割を作らせて、2割を人が直す」運用が現実的です。100点を狙うと調整コストの方が高くつきます。

ケース2:バックオフィス/総務・人事

作るもの:社内規程の一次回答GPTs

  • 入力:社員からの質問文
  • 出力:回答+根拠となる規程名・条番号
  • Knowledge:就業規則、経費精算ルール、各種申請フロー
  • 重要ルール:規程に記載がない場合は「担当者へ確認が必要」と返す
注意

就業規則や給与情報は、社内でも取り扱い範囲が限定される文書です。アップロード前に人事部門の承認を取ってください。また、個人が特定できる情報(氏名・マイナンバー・health情報など)は入れないでください。

ケース3:中小企業の一人情シス/経営者

作るもの:業務マニュアル作成支援GPTs

  • 入力:作業手順の箇条書きメモ
  • 出力:見出し付きの手順書(画像の入れどころも指定)
  • Knowledge:既存マニュアル2〜3本(書式の見本として)
  • 重要ルール:手順の順番を勝手に変えない

既存マニュアルを「書式の見本」としてKnowledgeに入れると、出力の体裁が一気に揃います。これは意外と知られていない使い方です。

ケース4:個人事業主/フリーランス

作るもの:見積・提案の下書きGPTs

  • 入力:クライアントの要望メモ
  • 出力:作業項目の分解+想定工数+確認質問リスト
  • Knowledge:自分の料金表、過去の提案書、対応可能範囲
  • 重要ルール:金額は自分で決める。GPTsには「工数の内訳案」までを出させる

金額の最終決定をAIに任せると、根拠のない安値を提示してしまうことがあります。GPTsの役割は「考える材料を出す」ところまでに留めてください。

予防・再発防止のコツ|情報漏洩と品質劣化を防ぐ

最優先の予防策は、「入力してよい情報」を先にルール化し、GPTsのInstructionsにも明記することです。運用開始後に決めようとすると、必ず抜け漏れが出ます。

情報の取り扱いで最低限守る4点

  1. アップロード前に社内ルールを確認する(利用可否・承認者・対象データ)
  2. 個人情報・顧客の機密情報は入れない(名前は「A社」等に置き換える)
  3. 学習利用の設定を確認する(ChatGPTの設定画面でデータ利用に関する項目を確認。法人向けプランでは既定の扱いが個人向けと異なります)
  4. 公開範囲は最小にする(原則「自分だけ」から始める)
注意

個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用に関して、個人データを入力する場合の取り扱いに注意を促す注意喚起(2023年6月)を公表しています。顧客リストや従業員の個人データを安易に入力すると、社内規程だけでなく法令上の問題になり得ます。判断に迷う情報は入れないのが原則です。

著作権・二次利用のチェック

他社の資料、書籍のスキャン、購入した有料レポートなどをKnowledgeに入れる行為は、利用規約や著作権上の問題になる可能性があります

文化庁は「AIと著作権に関する考え方について」(2024年3月・文化審議会著作権分科会法制度小委員会)を公表しており、AI利用時の著作物の取り扱いについて整理が進んでいます。社外の著作物を扱う場合は、権利元の許諾範囲を確認してください。

品質を落とさない運用のコツ

頻度やること目的
毎回出力をそのまま送らず一読する誤り・トーンずれの検知
週1回直した箇所をメモに残す改善ネタの蓄積
月1回メモをもとにInstructionsを更新精度の底上げ
四半期Knowledgeのファイルを最新版に差し替え古い情報の除去

「人が直した箇所」こそが最良の改善データです。直した内容をルールとしてInstructionsに1行足すだけで、次回から同じ修正が不要になります。

補足

社内で複数人が使う場合は、GPTs名に「v2」「2026-07更新」など更新時期を入れておくと、古い版が使われ続ける事故を防げます。

専門家・公的情報の見解|業務利用で押さえる指針

公的機関の立場は明確で、「利用を禁じるのではなく、リスクを管理して使う」という方向です。社内で導入を提案する際は、この前提を共有すると話が進みやすくなります。

政府・公的機関が示している方向性

総務省・経済産業省は「AI事業者ガイドライン(第1.0版)」を2024年4月に公表し、AIを開発・提供・利用する各主体が守るべき指針を整理しています。利用者側については、適切な情報の取り扱いと、出力の正確性確認が求められる旨が示されています。

個人情報保護委員会は2023年6月、生成AIサービスの利用にあたり、個人情報取扱事業者が個人データをプロンプトに入力する場合の留意点について注意喚起を行っています。

また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)も、情報セキュリティの観点から生成AI利用時の入力データ管理の重要性を継続的に発信しています。

ポイント

社内提案で使える論点は3つです。(1) 公的ガイドラインは利用を否定していない、(2) 求められているのは入力データの管理と出力の検証、(3) 公開範囲を絞れば統制可能。この3点を押さえれば、稟議は通りやすくなります。

情報の鮮度に注意

GPTsの機能名・画面構成・プラン内容は更新が続いています。本記事の手順は2026年7月時点の一般的な操作フローを前提としています。画面の名称が異なる場合は、OpenAIの公式ヘルプを一次情報として確認してください

やってはいけないNG対応

最も避けるべきは、GPTsの出力を無検証のまま社外に送ることと、未承認の機密データをアップロードすることです。この2つは、時短効果よりはるかに大きい損失を生みます。

NG1:出力をそのまま社外送信する

誤った金額や納期がそのまま顧客に届くと、訂正コストは元の作業時間を大きく上回ります。必ず人が最終確認する運用を、最初から固定してください。

NG2:承認なしで社内資料をアップロードする

「便利だから」と就業規則や顧客リストを入れるのは、社内規程違反になり得ます。承認プロセスを飛ばさないでください。

NG3:1つのGPTsに全業務を詰め込む

指示が長くなるほど、優先順位が曖昧になります。業務ごとに分けるのが結果的に早道です。

NG4:Instructionsを一度書いて放置する

業務ルールは変わります。更新しないGPTsは、古いルールを正確に守り続ける危険な存在になります。月1回の見直しを習慣にしてください。

NG5:GPTストアへ安易に一般公開する

社内固有の情報を含むGPTsを一般公開すると、Instructionsの内容やKnowledgeの情報が第三者の目に触れる可能性があります。業務用は非公開が原則です。

まとめ

NG対応は「検証しない」「承認を飛ばす」「詰め込む」「放置する」「公開する」の5つ。裏を返せば、この5つを避けるだけで、業務用GPTsは安全かつ実用的に運用できます。

よくある質問

GPTsは無料プランでも作れますか?

GPTsの作成には有料プラン(ChatGPT Plus / Team / Enterprise など)が必要です。無料プランでは、共有されたGPTsの利用に制限がある場合があります。プラン内容は変更されることがあるため、契約前にOpenAIの公式料金ページで最新の条件を確認してください。

プログラミングの知識は必要ですか?

不要です。GPTsの作成に必要なのは、業務手順を日本語で具体的に説明する力だけです。外部システムと連携する「Actions」機能を使う場合のみAPIの知識が必要になりますが、社内文書の要約やメール作成といった一般的な業務用途では使いません。

作成にどれくらい時間がかかりますか?

初回は30〜60分、2つ目以降は15分程度が目安です。時間の大半はInstructionsを書く作業に使われます。1つ目で自分用の型ができれば、以降はその型をコピーして書き換えるだけになります。

アップロードしたファイルは学習に使われますか?

扱いはプランと設定によって異なります。個人向けプランでは設定画面でデータ利用に関する項目を確認でき、法人向け(Team / Enterprise)では既定の扱いが異なります。契約プランの規約と設定画面を必ず自分で確認してください。判断に迷う機密情報は、そもそも入力しないのが最も確実です。

期待した精度が出ないときは何から直すべきですか?

最初に直すのは出力フォーマットの指定です。見出し名・項目順・文字数を数値で明記するだけで、体感の精度は大きく改善します。それでも改善しない場合は、Knowledgeに自社の用語集と過去の良い出力例を追加してください。

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GPTsは「すごいAIを作る」ものではなく、自分の業務手順を言語化して固定するツールです。まずは週3回以上やっている作業を1つ選び、この記事のInstructionsテンプレートを埋めてみてください。15分後には、明日から使える専用アシスタントが1つ増えています。

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